人口雪かもしれないぼたん雪が降り、外をうろつかないで家にいろと思わせる天気、ラジオで電話こども相談室を聞いて、常光徹『魔除けの民俗学』をひらく。
悪病を除けるために軒下に「ニンニクを下げる」「唐辛子を下げる」のは、植物の強い刺激に病魔を退散させる効果を期待したもので、取手市ではニンニクは千葉柏の宿連寺の天王様まで行って、迎えてきたものを下げると流行病が家に入らないという。
『土佐民俗記』に、戸外で罹ったわけの判らぬ病気を、家人や村々の祈祷師がまじなう時、箕(み、脱穀のため殻を取り除くバスケット)の中に南天の葉をお礼として載せて置き、患者をパッパと祓う真似をすると記してある。
山野を歩いているときに、突然寒気がして発熱し体調をくずすことを「イキアイ」「行き合い」に遭う、といった。
ブータンに行ったとき、家々に唐辛子がぶら下がっていた、思い出が良くて、二度と行かないと決めている国だ。もちろんインターネットがなかった時代、みんな頬っぺたが赤くて、厚い手先をしていた。
|