平成21年12月号
小春日和の週末、事務所には夕方着けば心配ない、生田緑地にある岡本太郎美術館でタローコーヒーを飲み、隣に座る老夫婦が「ゆう子の娘は何であんなにまずいんだろう、最近の子供は、みんな目鼻立ちがいいのに。」
川端康成の『山の音』でも、娘と孫の不味さに諦めの会話が出てくる。
ススキの穂が銀色に揺れるのを眺め、ゆったりした時間を過ごした。

シャーディを聴く、のんびりした運転、そこに鈍い金属音と空から落ちてくるヘルメット。
始めて経験する交通事故、バイクから落ちた女の子、救急車のサイレン、大げさな人数の警察官の交通整理。
警察の交通捜査課で担当の警官を待っている間に、「多摩川で女性が流されている」「橋から人が飛び降りた」「女の子が友達にコートを切られた」。
私の調書は夜となり、「身元引受人は誰ですか?痴呆の母です。」左手人差し指の指紋を押し、薄ら寒い夜が暮れ、次の週末は駐車違反で罰金を支払い、今年の厄が一塊でやってきた。
児玉 智子
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