平成31年3月号
暫くピアスをすることを忘れていて、穴が塞がっていたことに気がついた。
新しい春を迎えようと思い、自由が丘のクリニックでもう一度、ピアスの穴を開けた。
友達と布団針で穴を開け合った頃から、目の前にいる「この人みたいになりたい看護師さん」がさりげなく片耳に5つの小さなピアスをつけている、時間の経過に、取り残された自分がいるような気がした。
医師もスタッフも、上品な美しさがあるクリニック、待合室にきれいな人はいなかった。

川越喜多院に五百羅漢を見に行き、小春日和に阿羅漢の表情は明るくて、どれもが「人生たいしたことはない」
といっているような気がした。
児玉 智子
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