平成24年4月号
時間がどんどん過ぎて行き、寝床の廻りに本と引き千切った先月の新聞が散らばり、綿ボコリが舞い、自分のくしゃみが、好きだったお爺さんにそっくりで、独り可笑しくなる。
新しい月は、仕事ばかりでない時間をつかうと決めながら、アウンサンスーチーとローマ法王とキューバのカストロが新聞のひと頁に載っていて「光陰矢のごとし」を実感する。
平川克美『経済成長という病』『小商いのすすめ』『俺に似たひと』を読む。
経済の時代は、ただ金持ちである理由だけで威張っていられる時代「薄っぺらい世界」と言い表し、何ものも永遠に成長し続けることができない、ここまで読み、母の痴呆止めの薬を取りに行き、医者に痴呆予防の薬がいつ認可されるか聞く。
東京オリンピックの頃、どこの商店街にも帽子の専門店があり、徹底した小商いで住居兼店舗に店番ひとり、帽子を買うおとなが存在し、同時にこどもがこどもとして安心して存在することができた。
関東大震災と敗戦から20年、ハイスピードの復興で中産階級が出現する前は、貧乏であるがゆえ人間の強さがあった。
テレビで東京オリンピックを寝転がって見ていた私は、今の身長で体重64キロ、日清チキンラーメンを夕食前に食べることだけが楽しみだった。
『俺に似たひと』は平川氏の介護日記、父親に食べさせたくて、料理をつくる腕前があがっていく様子がよく、私の周りでも、両親や奥さんの介護をしている男性が多く、人間が双廻りぐらり大きくなっていくのが判る。
児玉 智子
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