平成23年9月号
上野桜木の「市田邸」は、明治後期に建てられた一軒家、芸大の女子学生が住みながら保存修復運動をしている。
昼下がりの縁側は、風鈴と蝉と芸大から聞こえる楽器練習が混ざる風の音、打ち水とタライの氷と沸かした麦茶、蚊取り線香のブタが話しかける。
畳の上のあめ色のマットが、ひんやりとべとつかず、夏の季語・油団(ゆとん)を初体験した。

油団は福井県鯖江の紅屋紅陽堂でしか作ることができない。
真っ白な和紙に柿渋をひき、紙に糊をつけ貼り重ねる枚数は15枚程度、重たい打ち刷毛で叩き続け、えごま油を塗って天日干しする。
あめ色の光沢をもつ油団になるのに数年、100年間は使用できると云う1枚の油団が、人の一生を静かに見守っている。
児玉 智子
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