平成17年7月号
税務調査が終わり、ホッとして有楽町の高架下でビールを飲んでいたら、やはり税務調査が終わった工場経営者が隣で日本酒を飲んでいた。
雨の日も風の日も、高架下の飲み屋になぜ人が集まるのか考えてみる。
椅子は、破れた座布団が置いてある酒瓶ケースか中古の事務用。
隣人の待ち合わせで遅れてきた人が、座れないのに割り込んでくる。
焼き鳥の煙りが目にしみ、小皿がないから運ばれたどんぶりに醤油をかけ過ぎる。この風景は経験がないのに懐かしい「戦後のやみ市」を思い出す。
オギュスタン・ベルクは日本社会特有の「空間性」について、限られた広がりの中で大勢がいっしょに生活し行動する共同体的行動形態といっている。
街路は人々共有のもので、鉢植えを飾り、店の陳列台は道に張り出す。
西欧は「広場の文化」、日本は「道の文化」、西欧のカーニヴァルは広場で開催されるが、日本の祭りは行列する。
日本の都市の社会構造が農村を反映していて典型的な例が町内会、西欧都市には存在しない。敗戦後GHQは町内会を解散させた。軍国主義的組み込みを懸念したようだ。
すでに形骸化してしまった町内会は回覧版を廻すだけかもしれないが、私の町では老人に対する配慮は有難く、重要な役割を果たしてくれる。
児玉 智子
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