平成29年5月号
桜散り静かな風が吹く今の季節は貴重で、閑散としている東京のゴールデンウイークに、街を歩いていると生意気な頃のことを思い出す。
母は立体裁断がうまく、私がスタイル画を描くと、その通りの洋服を作ってくれた。
原雅夫スタイル画教室は有名なデザイナーを輩出した処で、原先生は自分のお気に入りの女の子をモデルに選び、指導していた。
対極にいた長沢節さんは、きれいな男の子を連れロンドンブーツを履き、四谷辺りを歩く姿があった。
スタイル画は、墨絵に似た強弱で表現するので、骨の形を頭に入れておく必要があった。
原先生は、私の描いたものを破き、一言「児玉さんは、骨の形がいい」、それを思い出す。
熱海に引越ししてから、一度お伺いしたとき、東京に好きな人がいて渡して欲しいと、手紙を託された。
「セツ・モードセミナー」閉校を知り、すべてが過ぎて行くのだなと感じた。

神宮前のアパレルメーカー「アンテメリディアン」の20周年パーティーに出席した。
今の時代、20年経営していくことは、相当の努力が必要だ。
デザイナー田中さんの淡々と「飽きない服」を作り続ける姿は、会社設立時から変わらず、出来上がった商品に田中さんの性格が表われている。

気に入った生地をみつけ、初夏のジャケットにしたいところを、カーテンにして眺めている。
児玉 智子
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