平成28年11月号
川瀬巴水の版画が好きで、横浜美術館に葉書を買いに、帰りに細かな階段の急坂を登り、「坂の上のそば屋」に寄った。
昨年の今頃、蕎麦の実を譲ってもらったのを思い出しながら、けんちん蕎麦を食べ、バルコニーで、そば湯を飲み、女将さんと話し込んだ。師走に来る約束をしたら、ご主人が点滴しながら、仕事を続けているので、どうなるかと云われ、伊勢佐木町のネオンが揺らいで見えた。

区立郷土博物館『巴水の企画展』は、地味でも悦に入ることができる。
版画は、絵師が絵を描き、彫師が版木を彫り、摺師が版木の上で紙を刷って出来上がる。
初摺り、後摺り、浮世絵と同じ技法で製作された「新版画」、版木を新しく作り直せば「復刻版」となる。
版木の摺りを重ねていくと、描かれた線や色が崩れてくるので、初摺りの評価が高いとしても、オリジナルの版木は震災や戦争で焼失している。 そこで並木通りにある巴水の版元、ワタナべ丸印の渡辺木版美術画舗に行き、葉書サイズの『河岸の小雪』を、自分への誕生日祝いにした。

『洗足池の残雪』と同じ写真を撮ってみた。
児玉 智子
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