平成25年12月号
夕暮れの「イセザキ書房」、店先バーゲンコーナーにあるモノクロ写真集を見入って、荷物が多かったので、お正月用にイーユン・リー『先年の祈り』を安く手に入れた。ラブホが林立し、パトカーの取締りが目立つ地域でも、店内に入れば「触れてみたいもの」が揃っている。
店員さんに、「このお店は、船員さんに本を売っていたんですか?」何かを思い出して聞いてみた。
今も横浜港に入港する外航船へ宅配を続けているそうだ。

佐藤夫婦が書店開業したのは1952年、外国周航する船員さんが、本のまとめ買いをすることに気づいたのがきっかけで、南氷洋の捕鯨船や北氷洋の鮭鱒船が頻繁に入港していたころの売上げは数百万円、9台の移動販売車で、千葉から横須賀までの港に納品した本は一度に100万円、経済成長期は世界大百科事典を200セット販売したと聴く。

当時ブリタニカの百科辞典を売ると大金持ちになると云われていた。
物置の百科辞典を廃品回収に頼んだら、いろいろ混ぜて数万円支払い、荷物が多い時代の終焉だと実感した。
児玉 智子
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