打合せをしていると「税金を納める」という経営者と「税金を取られる」という経営者がいる。
憲法27条に働く権利義務、30条に納税の義務を定めているが、「取られる」と言う人に限って納税金額が僅少なことはおもしろい。
中世前期のイングランド、エドワード一世(在位1272~1307)の時代に、平民が貴族・司教・修道院長といっしょにはじめて議会に出席した。目的は商人や被支配階級を議会にいっしょに出席させ、平民に徴税の同意をとりつけることにあった。
税の徴収は国王の務めのなかでもっとも困難なもの、ジョン王が「マグナ・カルタ」に捺印せざるを得なかったのも臣下との徴税にかんする議論がもと、貴族は「軍役代納金」という税金を納めれば軍役を免れることができた。ジョン王は政策財源や戦争の準備に悩まされ、結婚税や後見税、新種の税金を課し、多くの貴族の怒りを招いた。
その後の国王たちも地方や都市の住民にも資産税・取引税・関税を導入、経済と政治が関連しあって、国王は議会に頼らざるをえなかった。
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