足に錘をつけながら相変わらず唄っている母、「だ~れだ!」の返事が「お茶碗博士」、キャッチコピーとしては受けるし、会ってみたいような気もするが、私はお茶碗博士ではない。
入院は痴呆がすすむと聞いていたけれど、お茶碗博士が毎晩しつこくて寝られないと言われると、がっかりする。
病院の近くに和菓子屋さんがあり、軒先に「お迎えだんご」が置いてあった。
なんだか無性におじいちゃんに会いたくなり、テーブルに置いてみた。私のテーブルには、父と伯母さんの分骨があり、犬の骨と鳥の骨もいっしょだ。毎朝コーヒーをあげて出勤する。
食事中にくしゃみをするおじいちゃん、いっしょにごはんを食べるのがいやだった。
洗足池で灯篭流しもしたけれど、おじいちゃんは降りてはこなかった。
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