令和元年11月号
東京で一番好きな美術館、品川の原美術館が閉館するという。
来館者用のトイレだった場所に「森村泰昌」の作品が常設され、「加藤泉」の石と木彫の作品に惹かれるのは、マリのドゴン族を思い出させる、赤土のにおいがするアニミズムが宿っているからだ。

ユーロスペースで「アートのお値段」を観た。
1990年代、クリスティーズの経営責任者は、オークション戦略について検討し、近代巨匠の傑作作品が減少し、美術品市場が枯渇していくことを恐れ、無限な現代美術作品をマーケットの主流におきかえることにより、巨大な市場は、アートに興味がない富裕層にも、惜しみなく資金を注ぎ込ませた。
「高橋コレクション」のコレクターで、精神科医高橋龍太郎の随筆によれば、脳の仕組からして真善美と欲望は対立し、人生とはこのふたつの対立する脳内ゲーム、オークションの相場が、芸術的価値をきめるなんてとんでもないと言いたいが、この映画は、現代アートのオークションこそが、アートの裁判所だといっていると書す。
高橋先生が「コレクターとしての厄介な病」を抱えるも、医師として日夜従事する姿を、長い間観察してきた。
児玉 智子
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