平成27年9月号
歩いていると、蝉の抜け殻が葉裏にぶら下がり、私みたいと思えば、赤トンボが素通りする季節となり、熱帯夜の玉音放送は、うなされる子守唄だったような気がする。

バブル崩壊前に行った台湾、男性陣は休日となれば現地妻のような女性といっしょで、私は扉がまともに閉まらない小さい飛行機でタロコ族がいる台中を観て廻った。
大理石に囲まれた山岳に暮らし、危険な石切り場の労働を見て、早く日本はバブルが崩壊すべきだ、と思っていた。

真夏の夜、池上實相寺で、台湾タロコ族の唱和があり、もの悲しい響きが寺の広間を被った。
ムックリの「ビヨョ〜ン」という響きは、アイヌの演奏と同じで、花綵(はなづな)列島の南北文化が伝播し、交差したそうだ。
地理学で、アジア大陸の東端を花飾りのように結ぶ、アリューシャン列島から日本、沖縄を経て台湾に至る島々を、花綵列島と呼ぶと聴いた。

武田砂鉄『紋切型社会』は、真っ赤な表紙で、寝苦しい夜にぴったり、皆がタブレットを握って生活していることが、そうさせるのだと思う。
「もの悲しさ」のようなものは、言葉に出来ないものと諦め、どっぷり孤独を味わう秋がやっと来た。
児玉 智子
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