平成17年11月号
私は鉛筆が好きだ。字を書くわけでなく、鉛筆のかたちのブローチいくつか、鉛筆のかたちの椅子を持っている。 机の引き出しに埋もれている鉛筆、友達にも鉛筆みたいな存在がある。つい忘れてしまうけど、とても大切な人のこと。
いまのかたちの鉛筆は、ガリレオやニュートンが科学の基礎をつくった17世紀の終わりにつくられた。それまで職人が合金の尖筆をつくり試行錯誤の連続だった。イギリスのボローデール鉱山から最初に掘られた黒鉛、この破片が針金で巻かれて使われた。 18世紀になるとロンドン市民に、ちょうちんブルマの行商人が黒鉛を売り歩いていたのを想像するだけで楽しくなる。
同じ頃、アメリカのマサチュセッツでは、はじめの鉛筆工場が女学生によって設立された。彼女はボローデール鉱山から石墨を手にいれ、ハンマーで粉になるまでつぶしゴムを混ぜて、くりぬいた木に押し込んだ。
鉛筆は世界で毎年140億本生産されている。
若い人の間で、手紙を書くことが流行っていると新聞に載っていた。
きっと鉛筆も木があるかぎり永遠だ。
児玉 智子
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