平成24年12月号
「狛犬工房の松下昌司」に会いに行く。
ススキを掻き分け、ゴミ屋敷のような薄暗い工房の引き戸を開ける。白菜や人参が転がり、シーサーが窯に入るのを待ち、その奥で巨匠は「ちょこん」と座っていた。
妻を亡くした男やもめの巨匠には、なぜか綺麗な女性の弟子が集まる。
現役80歳の陶彫家がつくる狛犬は、沖縄の蒸し暑い工房でつくられる情念のシーサーではなく、京都文化のツンとした姿を魅せる。
小声で「村上隆がたくさん買ってくれる。」東京から何か送るけど「芋ようかん。」私達のボソボソした会話が続き、守り神の青鬼を新聞に包んでもらい、再会を約束した。
児玉 智子
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