平成20年7月号
「コバケン」が指揮するクラシックを聴くと、髪の毛を振り乱して、ブルブル云っているのが伝わってくるので、私の身体にそのブルブル波動が進入し、邪気が一掃された気になる。
指揮者「コバケン」が会社経営をしていたら、スタッフを育てるのが上手いんだろうなと思い、小うるさい自分を持て余すことがある。

止みそうもない雨、武蔵小山アーケード商店街に行こうかと思いながら、山極寿一『暴力はどこからきたか』を読み始めたら、電話にも出ない。
初期人類は森林から草原へ、直立二足歩行は長距離をゆっくり歩くことに適している。
骨盤は上半身の重みを支えられるように形をかえ、産道のおおきさにあった頭が小さい子どもを生み、母親だけでは未発達な新生児を育てることができなくなり、家族という共同体は、食を分かち合うによって結束力が強化された。
言語の出現は、そこにない出来事を伝える機能があり、バーチャルな共同体を作り出し、国家や民族という幻想の共同体が人々の心に宿るようになる。
狩猟採取から農耕へ、土地の所有が人々に境界をつくり、集団間の戦争へ発展する素地をつくった。
人類のアイデンティティに共通の特徴として、自分の系譜をたどり共同体の規模を拡大していくこと。
それが民族の理念として利用され、支配者たちによって戦争へと駆り立てられるのだと。

母親の愛犬は休日でも朝早くから吠え叫び、「いいんですよ、みんなの番犬ですから」とお世辞を言われ、近所の子供のバイオリンがキコリのようにギコギコした音色が聴こえて、「これからが楽しみですね」。
これが町内の共同体というもの。
児玉 智子
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