平成26年4月号
なんだかんだと理由をつけて集まる中学の同級生、お花見の会に22人が出席、幹事がつくったツアー旗に集合、増上寺で法然上人法要を見て、集合写真を撮って、東京タワーの展望台で、「あれが俺の会社」「あの病院で手術した」「あそこ、退職した会社のビル」と好き勝手に云いたいことを云い、聞いてなくても、皆がやたら機嫌よく、東京タワー土産を買う。
そのうち、自分の離婚話、介護話、窓際話とうっ憤が開花し、カラオケで60年代の歌を口遊む。
私達は、テレビを見たければ近所の電気屋さんに行き、東大でも中卒でも教養に大差なく、先生に殴られ、あおたんつくって、平然としていた。

森見登美彦『きつねのはなし』を読み終わり、母親が狐のお面を被っている深夜と、犬が肝臓を患い顔が狐になり、私の枕元で地響きするイビキをかく早朝を、とても恐れていることに気付く。
同窓会のカラオケ、介護疲れでうたた寝する姿がちらほら、そんな理由でツアー旗に集合する。
児玉 智子
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