今年も陶芸家イム・サエムさんの作品展が開催された。
イムさんのアプサラ陶房と住まいは、愛知県藤岡の丘にある。
カンボジアクメール生まれのイムさん、王立芸術大学陶芸科を卒業し日本に研修生として来日、瀬戸で修業して1980年に独立、日本人の奥様といっしょに作陶を続けている。
アンコール王朝数百年間に栄えた陶芸の伝承は、ポルポト時代に多くの指導者が殺され、窯やろくろの施設も破壊されてしまった。アンコール遺跡や工芸品は世界の美術品愛好家から高い評価をうけ、今でも組織的盗掘で荒稼ぎする者があとを絶たないという。
イムさんの器は、その心の傷を安南の染付けで表現しているかのようにみえる。
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