平成20年10月号
宇治川と木津川を渡ると、蟹満寺の金色に輝く蟹に出会うことができる。
川沿い一帯は豊穣を与えてくれる。
土手から収穫の様子を見る、時期が過ぎた道端の曼珠沙華が淋しい、これから長々と続く自分の人生みたいだ。
しかし心地よい秋風、もうちょっと頑張ってみるといいことがあるような気もする。

今昔物語に登場する蟹の話、村人が蟹をたくさん捕まえ食べようとしているのを見た娘が、その蟹を買って草むらに逃がしてやった、その娘の父親は田圃で蛇が蛙を呑みこむ寸前に、自分の娘をくれてやるから蛙を助けてほしいと蛇に頼むと、その蛇が姿を消した。
その夜、蛇が紳士に化身して娘を貰いにやってくる。約束を守らない父親に怒り暴れる蛇、たくさんの蟹は群がり爪で蛇を刻み切って、蛇を退治した。
ちょっと胡散臭い話と観音堂の金ぴかの蟹が不釣合いで面白い。

私は「おびんずるさん」が好きだ。
修行の身といいながら、いつもお釈迦さまの言うことばかり聞いてはいられない。魔がさしてお酒を飲んでしまったおびんずるさん、宝寺本堂の脇で会うことができた。
児玉 智子
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