平成17年9月号
廻りの人達から、ずっと話そうと思っていたのだけれどと、すまなそうな顔で、母が 「とんちゃんが家を売ろうとしている」 「智ちゃんの事務所が潰れたから自分の預金を使っている」 「ともちゃんが私の国債を持っていった」・・・・
私の母は、こんなに性格が悪かったのかと思い、眠れない日々。
頼れるケアマネージャーとの出会い、「アルツハイマーに関する本を読み、これから勉強してください。」
しばらく考えていた。
人間の心は、どのように出来あがり、どんなふうに無くなってしまうのか。
橋爪大三郎氏は、「人間」であることは、互いに人間と認め合うことで、言葉が通じることこそ、人間にとって最も重要だと考える。たとえば「お腹がすいた」 感覚は口にするまで、他の人間には分からない。これを言葉に置き換え、自分に伝え、他の人間も「お腹がすいた」という状態、その「心」を共有していると信じるようになると。「愛している」ですが、もともと日本人の男性には愛という 観念はなかったそうです。やはり私でも、顔さえ見れば「愛してる」という行動主義は、煩わしい感じがしますが、何も言わなくても分かっているは難しく、言葉での自己確認と相手に伝えたことへの責任が「心」を後からつくっていくような気もします。
児玉 智子
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