友人と居酒屋に行き、「おしぼりで顔を拭く女の人をはじめて見た。」と云われ、この開放感は、15年前には味わうことができなかったことに気がつく。
沖縄に通っていたころ、長手袋をしたタクシーの女性ドライバーが多く、離婚し子育てをしながら働く女性は、みんなが大様だった。
建設現場の女性監督の、ヘルメットから覗く真剣な眼差しは眩しく、茶髪とピアスが魅力的な、ハンドルさばきが逞しい大型トラック運転手の中にも、かわいい女子がいる。
どの業界も人手不足で慌てていて、新店舗をオープンする飲食店のご主人から、「おなべ」を紹介して欲しいと云われた。
心当たりを辿ってみれば、美容師の友人が麹町で、タキシードを着た麗人を揃えた酒場を経営していた。
危うくその魅力に溺れそうになったことを思い出す。
個人申告の時期から解放されたら、真摯に生きる「おなべ」を探すつもりだ。
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