平成18年10月号
パワフルな女性経営者に誘われ、断れなくて、フランス人が集まるプラチナ通りのおしゃれなパーティー。
フランス語が判らないので、ついつい日本語が聞こえるところに足が向く。
他愛のないおしゃべりの中で「彼はカリスマ性がある」、何度となく出てくるカリスマ性という言葉。

ウェーバーがカリスマ論を展開するとき、非日常性を強調し、「彼はカリスマ性がある」は、彼は誰もが持っていない力や性質に恵まれ、神の遣いであり、それ故に「すごい指導者」ということになる。
概念や客観的はどうでもいいことで、帰依者がそう評価する。
カリスマ的経営者は、危機的状況において、彼を取り囲む人達から英雄と期待され登場し、その期待にこたえ、それを実証しなければならない。
危機と熱狂は、革命へのエネルギーをはらんでいるが、誕生期だけに限られ、一時的で不安定なもの、塀の中に入るか、合法化するか、私はこんなタイプの経営者と仕事をしたいとは思わない。

木村敏の『人と人との間』に、日本人にあっては、自己自身の存立根拠を自身の内部に持ってはいない、
案外こんなところが、カリスマ登場しやすいんじゃないかと思ったりした。

児玉 智子
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