平成26年7月号
霧雨の根岸公園は、ヨーロッパの人口が少ない街を散歩しているような気にさせる。
日本の終戦から5年後に朝鮮戦争が勃発、アメリカは朝鮮への攻撃の足がかりに占領下だった日本国内を接収、米軍は、根岸基地に高射砲陣地を構え、野戦病院や韓国からの帰休米兵の休養施設だったという。
戦時中、死体置き場だったという噂があり、深いしんみりとした木立は、その生命を引き継いだように見える。

松本清張『黒地の絵』は、小倉キャンプで黒人部隊が投入される時を待ち、戦死体が門司の岸壁に陸揚げされ、軍用機に乗り本国に帰還されるまでの作業労働を書す。
戦争の凄まじさを伝えられる人間は、いつの世にも、この世には居ない。
児玉 智子
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