平成19年10月号
自由奔放な会社法に頭を痛めて、ヒンドゥーのガネーシャ神を仕事机の上に置くことにした。
ガネーシャは「学問の神」といわれているが、太った人間の身体に、牙が片方ない象の頭、うっとうしい4本の腕、いかにも頼りにならない風貌をしている。

母が痴呆になる前、私はインド・コルカタに通い、生きることを真摯に受けとめるようになった。
そこで生活する人達は、朝早くからヒンドゥー寺院で祈り、新鮮な花びらを市場で買って、フーグリ河に流す。
そうかと思えば、厚顔な詐欺師が多く、家に帰ればポリオの子供や家族の面倒をものすごくよくみる。
この疑問を、中島岳志『ヒンドゥー・ナショナリズム』は、説き明かしてくれる。
前近代のインド社会においてのヒンドゥーは、日本の神道と同じように開祖が存在しない自然宗教であるため、明確な宗教原理が存在しない。
日常のお祈りや儀礼をする「場としてのヒンドゥー」が存在していた。日本人の私としても、宗教が身体化していて、宗教戦争にはとてもならない、そこが好きだった。
しかし、インドの経済成長と右派躍進、ガンジーのアヒンサーはどこへ。
この本を読んで、宗教戦争に至る人間の変容が想像できるようになった。
児玉 智子
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