平成19年06月号
じわっとする梅雨時、葛饅頭の透明感と清涼感は喉ごしをすっきりさせる。
吉野葛のふるさと、奈良大宇陀を訪れる。
冬は葛湯で仕事の忙しさと風邪を乗り切り、夏は集中力が低下すると葛饅頭をガンガンに冷やして食べる。
だから、どうしても葛をどうやって作るかを見たかった。

野生の葛の根にでんぷんが溜まるのは冬だけなので、採取は底冷えとの戦いとなる。寒さが厳しいからこそでんぷんが多く含まれる上質の根っこが自生する。
採取した葛の根を、その日のうちに叩き潰し洗浄、水といっしょに丸一日沈殿させる。
アクで水が茶褐色になるが、この地の鉄分が少ない地下水を水槽に入れ攪拌する。でんぷんが純白になるまで繰り返し、水気を切ったでんぷんは寒風に三ヶ月さらして乾燥させる。

葛饅頭の透明感は数時間で白濁するが、これが本物の葛粉を使っている証拠です。この年になって、やっと外見に翻弄されなくなり、本当の美味しさが判ってきました。
大願寺の薬草料理も絶品で、菊鼻・紅花・カンゾウの花の和え物がきれいで美味しい。
やっぱり外見も中身もいいにこした事はありません。
児玉 智子
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