うららかな土曜日の夕方、目黒川沿いの桜見物をする人達が楽しそうで、マスクをしていない人も多く、原美術館に入ることができ、「森村泰昌作品」は圧巻だった。
三島由紀夫の薔薇刑を再現した森村のヌードは、臭さがなく精神的な感じ、プリントの技術にかかっていて、写真弘社の寡黙な職人を思い出した。
映像作品は、大阪に残る森村のお茶屋さんだった生家で撮影され、1945年9月のダグラス・マッカーサーと昭和天皇の写真を模したもの。
大男と借りてきた猫のような天皇が並ぶ姿、森村は戦前の教えが拒否され日本人に広がった「空虚」西洋の価値観で埋められていき、愛情のみでは語りつくせない母国への複雑な感情をにじませます。
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