令和元年5月号
連休中、山椒の葉の佃煮を作りながら、恩田陸『蜜蜂と遠雷』を一気に読み、黄緑色の時間を過ごすことができた。
著者は浜コンの取材を7年間続け、産みの苦しみを味わった上梓で、ピアノコンクールの背景を想像することや聴き方を示唆してくれる。

サントリーホールロビー、光るドレスでワイングラスを傾ける婦人を見ながら、クラシックを楽しめない私だったが、浜コンで1位となったトルコ人ピアニストジャン・チャクムルの音色に、カッパドキアの乾いた風を思い出し、2位の牛田智大のショパンを聴き続け、これからはクラシックを楽しめると思うようになった。
あどけない眼差しのポートレートを眺め、人生経験が表現させるのではなく、只々ピアノに向かって、作品に込められた意味を理解して演奏するという姿をみる。
はたして、自分が過ごしてきた下品な時間を挽回できるのだろうか。
児玉 智子
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