平成28年6月号
仕事をしていると動悸がするような気がして、いろいろ検査をしてみるものの、特別壊れているところはなく、退化しているだけと思って諦めたが、待合室で夏目漱石の『門』を読みながら、気分も暗くなっていた。
鬼子母神の昼しか開いていない蕎麦屋に寄り、斜向いのおっさんが赤ら顔で、日本酒と蕎麦味噌を舌なめずりしていたので、私だってと思い、焼酎の蕎麦湯割と卵焼きをたのんだ。
そのおっさん「今日は仕事をしなくていいんですか?」私は「人生楽しんだほうが勝ちですよね」と、孫が迎えに来て、火の玉のおっさんは、渋々帰って行った。

垂涎カズラの苗を植え、毎朝蔓がどのくらい伸びているか観察するのが楽しみで、山椒の実を採る季節でもあり、きれいな空気を吸う一日が始まる。
児玉 智子
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