私の好きな人が会えない人となることが続き、泣くのは一晩と決めているので、大声で泣き犬達が顔を舐めてくれるのは有難い。褒美に首輪を買ってあげましょうと、ペットショップを覘き、この犬達もあと数年でオサラバされるのだなと、次の日には年寄りの保護犬を飼おうと思っていたら、60歳未満でないと譲れませんと言われる、あくまで人生は孤独だ。
桜が咲き始め、集う機会を与えてくれる植物は凄い。
草むしりをするんだと、軍手をはめて庭に出てみれば、どれもが芽吹き、花をつけ、若葉が光っている。
名前が判らないから雑草と呼ばれ、むしられようが踏まれようが、来年も怨念なく静かにそこにある。
母が集めていた無数の鳥の置物を、庭に捨てていたら、植物に馴染み、いい味を出している。
安野光雅『野の花と小人たち』、小人たちは、ほんとうにいると思う。
朝方、妙案がうかぶとき、小人がささやくのである。
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