平成19年05月号
桜の花びらが舞う季節「国立ハンセン病資料館」を訪れた。
ハンセン病は、らい菌の感染によって皮膚や筋肉の末梢神経が侵される病気で、現在は完治する病気なので感染もしないし遺伝することもない。
日本では1931年以降、ハンセン病絶滅を理由に強制隔離が進められ、療養所入所者は治癒しても出所ができず、所内では子供をつくらない結婚しか認められなかった。
当時ハンセン病はらい病といわれ、恐ろしい伝染病で日本民族の血を汚すと国民は思い込んでいた。
患者は手ぬぐいや襟巻きで顔を隠し、汽車に乗っていて警官に見つかると引きずりおろされた。

現在のハンセン病療養所は全員が完治しているので入所者とよばれ、平均年齢80歳。外見の後遺症がめだつこともあり、社会復帰がすすまない。
帰り道、多磨全生園に住むおじいさんとおしゃべりが弾んだ。後遺症で鼻が陥没した人が多く、鼻筋に針金を通す手術を何回もして失敗した話を可笑しそうに話してくれた。
ポートレート写真を撮りたかったが、カメラを向けることが出来なかった。数年前に九州の温泉旅館で宿泊拒否され訴訟となったことを思い出し、複雑な気持ちの出会いだった。
児玉 智子
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