お通夜で棺の小窓から覗く、満足した寝顔を見て「ああ良かったな」と思う。
エンゼルメイクは「納得して永眠する顔つき」に化粧すること。
臨床現場では、エンゼルメイクに際し、目蓋や口が開き・自然な血色が出せないことに悩み、遺族や仲間が共有していた記憶のなかにある、その人らしいメイクを引き出すための勉強会も開催される。
体温が高い状態での死亡は腐敗しやすく、死後4時間以内に冷却すれば腐敗を防ぎやすいという。
遺族は「冷たくてかわいそう」、看護者は腐敗という言葉をさけ「体や顔が膨張し、冷やさないと時間とともに変化してしまう」と説明し、硬直する前に開口を防ぐため頭を高くする。
医師が死亡診断することでエンゼルメイクを施すことができるので、在宅で看取ることは、面倒な手続きが多い。
エンゼルメイクがグリーフケアの効果にもなり、看護者の業務範囲が日々拡大していく。
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