平成30年12月号
銀座奥野ビルの4階で、桑子恵那さんの絵画展があった。
ひとりで乗るのは不安なエレベーター、誰かを待ち、黄色い蛇腹扉を開ける慣れた手につられて、4階で降りた。
恵那さんは絵だけでなく額装も手作り、ほかのギャラリーを覗いても、「時間の使い方の尊さ」を思い、仕事に追われる自分が情けないことを実感する。
奥野ビルは築85年、本館と新館それぞれの階段が、いっそう迷路を迷路にする。

三越のエレベーターガールが「女優さん」にみえた頃、地下の食堂で、クリームソーダを飲むのが楽しみだった。
クリスマスイルミネーションはクリームソーダに似ている、そう思いながら歩く銀座通り。

ひとりでいることが何よりの至福と思っている私が、桑子ご夫妻と「のど黒の塩焼き」を食べ、集うことでより美味しくなることを、山手線の窓から東京タワーを見ながら感じたのだ。
児玉 智子
令和
2年
令和
元年
平成
31年
平成
30年
平成
29年
平成
28年
平成
27年
平成
26年
平成
25年
平成
24年
平成
23年
平成
22年
平成
21年
平成
20年
平成
19年
平成
18年