短夜に誘われ、福島次郎の男色の世界にはまる。
『三島由紀夫-剣と寒紅』は、三島の遺族から出版差し止めを求める訴訟を起こされた。
男色の三島が市ケ谷駐屯地に乱入「天皇陛下万歳!」と叫び自決し、青島幸男は、それを「オカマのヒステリー」と評した。
昭和20年召集令状、入隊検査は不合格で入隊できず、二十歳の敗戦、ボディービルで身体を造り上げ、細江英公の写真集『薔薇刑』の、バラを咥えた耽美を追求する眼つきが印象深い。
福島次郎の生立ちを小説にした『現車』は、複雑に人間が交差するなかにも、季節を感じる箇所があり、メモを取りながらも、分厚い二段の単行本を久しぶりに読みきった。
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