横浜家庭学園は高校3年までの非行歴や犯罪歴がある少女が生活する自立支援施設だ。
学園の扉は開かれ、鍵がかかっていないという。少女達の脱走を防ぐ方法は、信頼関係を築くしかない。
刑務官有馬四郎助が少年釈放者の保護事業として設立した学園は私立の施設のため、財政難に立向かいながら、寮母さんが一つ屋根の下で家族のように暮らしている。
宮本輝『骸骨ビルの庭』大阪十三にある戦前に建てられた古めかしいビル、戦後の混乱の中で住みついた無人ビルの戦災孤児に、帰還兵の育ての親は彼らの成長に生涯を捧げるが、骸骨ビルは地上げにあい、高層マンションが建設される。
骸骨ビルを巣立った人達の交流は暖かく、横浜家庭学園の少女達が巣立つ現代は孤独そのもの。
|