新聞に載っていた「土徳」を知りたくて『真宗の土徳』を読んだ。
民藝運動の父、柳宗悦は、李朝時代の無名の職人が作った庶民が使う工芸品に美があることを発見し、民藝美の本質を仏教思想で解明した。
棟方志功の作品は、富山に暮らす豊かな自然と念仏の生活が影響していることを見出し、これを柳宗悦は「土徳」と名づけた。
真宗に戒名はなく、殺生戒を守り、親鸞聖人の命日は魚を食べない、命日は魚屋さんが一斉に休業する、「そうなんだ。」何回読んでも、朧月夜のようだった。
しんちゃんは、相変わらず細々と生き、羊のような毛が抜け落ち、生まれたてのヒヨコのような姿になった。
水も飲まず、何も食べないので、ささ身を湯がいたら、4枚も食べ、「これは、最後の晩餐」、次の日、鳥のささ身をお店にあるだけ買い、家に帰るのが怖かった。
苦しそうな姿に、諦めようと自分を説得するも、尻尾を振る姿を、もう一度視たくて、入院し、生き存らえている。
仕事に追われるふりをしながら、犬の死を恐れる自分がある。
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