炎夏は静かに断捨離と決めたけれど、スカジャンが出てくれば、横須賀のフィルムを探し、1時間が過ぎ、谷崎の『痴人の愛』を読んで、暑苦しさが増した。
確かにナオミのような女性がいて、容姿がいいとも限らない。
今まで関わった会社で、社長がナオミに嵌まり、会社は傾き、本人が自殺し、会社の清算業務が大変だったことがある。
そのナオミ、社長秘書と称して多額の退職金を受取り、翌年には真面目な人と結婚、よくよく調べてみれば、他に数人の役員と関係があったと聞く。
空に鰯雲が見られるようになると、彼のことを思い出し、あと2年あれば堅固な組織体制になったはず、と残念な気持ちになる。
鰯雲は、会社にもナオミにも賞味期限があることを教えてくれる。
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