平成27年9月号
下北沢は、私が好きだった猥雑な高架下がなくなり、古着屋ばかり、洋服より本のほうが高価で、本を買うことが贅沢なことだと気づく。
「B&B」という本屋は、本の種類と並べかたが何とも不思議で、『完全履歴消去マニュアル』を見つけた。秋から始まる「マイナンバー」にうんざりしているので、気分爽快な読後感だ。

炎天下の韮山反射炉、韓国語と中国語を話す観光客だけで、ボランティアガイドの小父さんが、困った顔で、反射炉の説明を日本語でしていた。
ペリー艦隊が下田に入港したことで、幕府は慌てて製砲工場として韮山反射炉を完成させた。

1543年に鉄砲を日本に持込んだ28歳のフランシスコ・ゼイモトは、美しすぎる目鼻立ちのため、少年のころから女達に惚れられ、修羅場を逃れるように、2年かけてポルトガルからやって来た。
立寄った明で鉄砲を売って大金持ちとなり、硫黄島で火薬の材料となる硫黄を明に運び、明から 硝石を運んで、もっと儲かることを考える。 やっと到着した種子島、ゼイモトの天狗鼻はもの珍しく、女達は物陰から覗くだけだった。
児玉 智子
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