平成25年1月号
いつも年末は稲村ガ崎のろろさんに会いに行く。
サーファーなら大喜びする処にある工房、黙々とアクセサリーを作り続けている。
出来上がりを楽しみにしているお客様は神様で、数ヶ月も待たせる。
工房が六本木から稲村に引越し、働く人達も引越してきた。
大津波を予想して、避難訓練で裏山に登る練習もした。

鎌倉を出発するチンチン列車が民家をぬって走り、新幹線に乗っているようでは、上等な工芸作品は創れない。
稲村ガ崎の駅に降り、いつ開くか判らない踏み切に立つ。
時間潰しで公衆便所に行けば、窓から線路が丸見え、消臭剤はパラゾールを思い出す。

事務所を出る前、頼りにしている弁護士さんから電話があり、年末年始は胃がんの手術で入院するという、いざという時、人の助けはできないもの、鎌倉上行寺で癌封じのお守りを買う。
児玉 智子
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