平成26年3月号
街を歩けば、お稲荷さんだらけで、閑静な住宅街にある瀟洒な洋館、庭先にある稲荷神社は、代々受け継がれたもの。
狐は稲荷の使いで、春先に山から里に下りてきて、秋の終わりに山に戻るという習性から、秋の収穫祭にむけ、また狐の色姿が実った稲穂に重なり、豊作を願い狐が稲荷の使いとされ、霊力があると言い伝えられた。
狐がもつ霊力は凄く、人間にのり移ることがあり、江戸時代に狐に取り憑かれ、のり移られるのは若い女性か年季奉公の小僧が多く、取り憑かれた狐を落とすため、僧侶に祈祷してもらった。
社会不安が増す江戸末期に頻発したことを考えると、今の社会現象にも通じる。

春先夜半の母は狐に取り憑かれ、身体のどこかに温存されていたパワーを発揮して、塀をよじ登ったり、布団と毛布を鷲づかみで物置に運び込んだり、毎晩が大イベントだ。
桜の芽吹くのを待ちながら、母を誰に祈祷してもらうか、考えあぐねる。
児玉 智子
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