平成31年1月号
初詣は、土俗的なお狐様てんこもりの、京濱伏見稲荷神社に行き、香港のタイガーバームガーデンを思い出す。
個性的な表情をした108体の狐は外国人観光客に人気で、初代宮司が煩悩の数だけ安置したという。
重層社殿は派手で迫力があり、赤々とした社殿が息苦しくもある。
神社の土台に富士山の溶岩を積むことを江戸造りといい、本殿の周りは富士山の溶岩で固め造営されたそうだ。

稲荷は豊かに実った稲を担いで神に捧げる農耕神だったが、室町時代になると、都会では稲荷が商売の神として人気を集めるようになり、人口密集する江戸は火災と疫病から町内を守ることが期待された。今でも庭先にお稲荷さんが祀られている家を見受ける。
狐が稲荷の使いであると信じられてきたのは、習性が春先に山から里に下り秋の終わりに山に帰ること、稲穂が狐色であること、狐の霊力で豊作凶作を予言するなど、江戸末期の社会不安は、今も同じで、信じるものは救われる。
児玉 智子
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