平成20年10月号
新涼の頃は疲れが出やすいし、訃報の知らせも多い。
9月初旬の爽やかな朝、母がズボンをはくのに右足が動かない。右脚が冷たいし顔色も白いが、本人は痺れていないと言う。
田島先生とヘルパーさんのお陰で、救急車で荏原病院に運ばれ、再度CTを撮り「慢性硬膜下血腫」と判明、脳卒中センターの徳永医長が夕方に手術、本人だけが手術をしたことを知らない。
翌朝には本人パワー温存し、「犬が待っているから帰る」と大騒ぎ、私は「縛って薬で寝かせてくれ」と看護士さんに頼む。
向かいで寝ている患者さんは昏睡状態、私に「何であの人、話しかけても答えてくれないんだろう」と不思議そうな顔をする。
児玉 智子
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