平成29年9月号
禅僧ヘンリ・ミトワさんが亡くなったことを知り、トライXで撮ったフィルムがあるはず、頭の中が灯籠のように廻り、ミトワさんを紹介してくれた、ギャラリー映の栗林さんに会いに行こう、そう思い立った。
計画なく歩く炎天下の京都、観光客の多さにうんざりするが、高瀬川を五条あたりから下って行けば、民家に挟まれ、近所の人が植木鉢を並べ、丸太の橋やお風呂屋、蝉時雨が涼しく聴こえる気がするものの、任天堂の旧本社あたりで、自分が干からびていく音がした。
我慢して赤尾屋まで歩き、「瓜さんしょう」を買い、黙々と今熊野まで歩く。
竹藪に佇む澤正で、新幹線代がうく値段で、そば会席を堪能し、そば茶を何杯も飲んだ。
秋蝉の終焉、竹肌を背中から滑り落ちていく姿をいくつも見ながら、明日は母の施設に「そばぼうろ」をもって行こうと思う、日帰りの夏休みは終わった。
児玉 智子
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