三日前に買った早朝割引新幹線切符を見ながら、松尾大社の木漏れ日を浴びると決めていた。
まだ目の前にある切符、私は孤独病に罹った。
母が居なくなった犬のしょん便臭い家、夜中にネズミがたったか走り、屋根が捲れかけ、便器の水が在らぬ方向に撒き散らされる。
おじいちゃんが残してくれた土地にボケるまでいる覚悟、私の収集したお面と写真集が散ばる不必要の家、工事屋さんに「一部屋で何でも済ませる家、車椅子でも動ける家」と云いながら、「今日を無事に生きる覚悟」が出来ていない。
毎朝続けるテレビ体操が、すこしは柔軟にしてくれる。
『阿弥陀堂だより』の堂守をめざし、流されない価値観で淡々と過ごすと自分に云ってみる。
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