新年会で、顔つきと笑い方が似ている夫婦が並んでいて、人生を共有し積み重ねてきた夫婦は、醸しだすものが穏やかに流れ、ちゃんと人の形をした、いい夫婦と出会える新年会だった。
本谷有希子『異類婚姻譚』のなかで、私は事務員だったが激務で体調を崩していたころ、稼ぎがよく持ち家がある旦那と知合い、専業主婦となり、体重が7キロ増え、近所のご主人から「あなたは、もう少しちゃんと人の形をしていたなあ」と呟かれた。
UR都市機構の大阪駅うめきたプロジェクト、とめどもなく高層ビルが林立し、豹柄のおばちゃんと、くいだおれ太郎が居なくなった。
うめきた空地に、木下大サーカスのテントが設営され、観客数は宝塚とおなじ年間120万人程度だという。
サーカスは常設がなく仮設テントと団員宿舎、ライオンや象の檻など1万坪を要する。
創業者が大連で軽業一座を旗揚げして1世紀、梅田貨物跡地うめきた公演が決まるまでに20年、URが全国に抱える空地の暫定利用に木下サーカスはうってつけ、家族の流れはサーカスが終わったら、モールで食事とショッピング、都市は創られていく。
|