職人わくわく - Wakuwaku Workman -

−令和元年8月号−

篠笛は、曲がりが少ない篠竹の節を落とし乾燥させた後に、火で燻し油抜きをしてから、ボール盤で穴開けし小刀と棒ヤスリで穴を仕上げる。
穴の位置や寸法が、奏者の音表現の決め手になるのだと思うが、私はまだ呂の音もうまく出ない。管頭に蓋をして調子を記入するが、私の篠笛は蘭情さんに作ってもらった六本調子。巻きに使う藤が、いっそう篠笛を光らせるが、藤にも種類があり、ラタンの皮はホーロー質でツヤがあり強度だ。
笛調律の田中さんは、古典調の音作りは代々受け継がれた音色に、ドレミ調は奏者の吹き方に合わせ目の前で調律をしてくれる。
琉球古典笛を手にとりながら、真夏の波照間を思い出した。