近江商人は何処へ
- Where is Omi merchant? -

私は近江に行けば、近江商人に出会えるのではないかと錯覚していた。
近江商人は、ドラッカーが考える「経済活動は、それ自身が目的なのではなく、人間的目的や社会的目的のための手段であるにすぎない。」この江戸時代バージョンの「三方よし」即ち、売り手よし・買い手よし・世間よしを商売の理念とし、天秤棒を担ぎ日本全国からベトナムやタイまで進出した。
五個荘は他とくらべ寺子屋の数が多く、読み書きだけではなく、算術の授業も行われていた。
中山道や八風街道を運転しながら想像する。
商人達が全国の情報を足で集め、売る物を探し、買う人に出会う様子、棒が肩に食い込む姿、どんな草履を履いていたんだろう・・・
今でもまったく変らない経済原理、千両稼いでも行商をやめない、このことが現存する商社や百貨店を築いた。
武佐宿近くで盆栽いじりをしているおじさんに声をかける。
「おじさんは近江商人?」首をよこに振り、「八幡の印刷工場で働いている。」
琵琶湖周辺には規模が大きい工業団地が点在する。