職人わくわく - Wakuwaku Workman -

−平成30年4月号−

埼玉県行田市にある「きねや足袋」の工場を見学した。
行田は江戸から足袋製法の技術が伝えられ、綿織物が手に入りやすいため、武士の家内手仕事から発展した。
明治時代に海外から機械を輸入し、大量に生産できるようになったことで、行田の足袋産業は信用を獲得した。
高級な足袋は、履いたときの、しっくり感とふっくら感が伝わってくる。
料理屋の女将さんのこはぜと鳶が着ける地下足袋、どちらも、ぞくっとした感覚がうまれる。

合理的な日常生活は、足袋が必要なくなったが、健康志向がもてはやされ、開発が繰り返されたランニング足袋は、入手困難となっている。

工場で、寡黙に分業する姿を観察し、一日の仕事の終わりは、健康的な疲れで、朝起きると、自然に足が仕事場に向かうのだろうと思う。