職人わくわく - Wakuwaku Workman -

−平成28年8月号−

多摩川沿いの川崎市民ミュージアムは、静かな気持ちで、作品をゆっくり堪能することができる。
折元さんは、アルツハイマーの母との介護生活をしながら、作品を作り続けている。
15年ほど前に見た、その写真に、随分勇気をもらい、当時私も、母の進行にあたふたしながら、母を被写体にモノクロ写真に残した。
折元さんは20年間、アルツハイマーとうつ病を患う母をひとりで在宅介護し、疲れが限界となった日、大声を出し、体を動かすことで、ストレスが発散できる作品を考案、「車イスのストレス」というパフォーマンス作品となった。
お母様が働き詰めで、苦しい家計を支えながら、自分を応援してくれたことが、作品群に凝縮されている。
どんな環境にいても、楽しんで生きられると、気付かせてくれ、川沿いの緑まで新鮮にみえた。