職人わくわく - Wakuwaku Workman -

−平成25年11月号−

400年の歴史がある有松絞りは、尾張藩が特産品として保護し、旅人が故郷土産に浴衣や手ぬぐいを持帰ることで、街道の名産品として全国に広まった。
絞り技法は100種類、日本の絞り生産地の90%以上を占め、東海道有松のなまこ壁やうだつが上がる絞り商家の町なみは、彼方に佐川急便飛脚マークのトラックがのぞき、複雑なタイムスリップが可笑しい。

絞りの技を持つ女性達は高齢となり、「孫達は継がない」と聞けば、ここにも何れ、温もりがある絞りができるロボットがいるのだろうと思い、お祖母さんに「元気でいてね」と何回云っても、「えへへへ」と頼りなく「絞りをやってると指紋がなくなっちまう。」と薄笑いする。