職人わくわく - Wakuwaku Workman -

−平成24年11月号−

今尾さんの絵画展が、2010年に続き、青山で開催された。
来春は、パティシエの奥様との間に待望の赤子誕生をひかえ、しっとり落ち着いたご夫妻にお会いできた。
絵描きとパティシエの感性や動きには、共通点が多いような気がしていて、赤ん坊は刷毛を握って生まれてくると思う。
今尾さんの作品展「回帰」初日は、私の還暦の日でもあり、資質が少ない自分が生きてきて良かったと思いながら、会場を巡った。
才能があっても、毎日キャンバスと向き合い、描きつづけることの困難さを語っていた昨年の今尾さんと比べ、余裕をもって「継続は力なり」を表現した。
深みが増してきた作品群、作品名「待つ」は今尾さんの想い入れが端的に表現されていた。
生きることは、待つこと、何となく待っているのもイヤでなくなって来た深秋だ。